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明日ゲンキになるマメ知識明日、ゲンキになるためのマメ知識

アスゲンのお薬に使用されている成分の原料や
それぞれの効能などをわかりやすくご紹介しているページです。
健康に関する最新情報もあわせて随時更新してまいりますので、
毎日の豊かな暮らしづくりにぜひご参考ください。

附子について その1

附子は日本薬局方にブシProcessed Aconite Root 、加工ブシとして収載され ハナトリカブトAconitum carmichaeli Debeaux 又はオクトリカブトAconitum japonicum Thunberg (Ranunculaceae) の塊根を1、2又は3の加工法により製したものである。とされています。
1、2又は3の加工法とは?
1:高圧蒸気処理により加工する
2:食塩、岩塩又は塩化カルシウムの水溶液に浸せきした後、加熱又は高圧蒸気処理により加工する。
3:食塩の水溶液に浸せきした後、水酸化カルシウムを塗布することにより加工する。
とされています。
各々加工法によりブシ1、ブシ2、ブシ3としています。
又、局方ではブシ1とブシ2を粉末としたものを各々ブシ末1、ブシ末2としています。

      
名称と使用部位、加工の有無
キンポウゲ科(Ranunclaceae)トリカブ属(Aconitum)植物は地中海沿岸、ヨーロッパ、ロシア、ヒマラヤ、中国、日本など北半球の亜熱帯〜温帯にかけて広く分布しており、300を超える種類があります。附子の名称は修治法による名称と部位、産地等による名称があり、非常に複雑です。
修治による名称にはつぎのような名称があります。
㈰ 附子と烏頭、天雄: 附子は子根、烏頭は母根となっている文献もありますが一般的に減毒していないものを烏頭、減毒しているもの附子という場合が多いと思われます。附子はトリカブトの塊根で子根が成長した後冬に最終したもの、烏頭はトリカブトが成長する前、春に採集したもの、天雄はトリカブトの塊根で細長く子根を有していないものという文献もあります。
㈪ 塩附子:塩とにがりの混合液に浸漬し乾燥する作業を繰り返す。又は飽和食塩水とにがりで煮て乾燥して製する。
㈫ 黒順片:塩のにがりに浸漬した後にがり水で煮沸、細切し、うすいにがり水に浸し調色剤で濃褐色に染め、刺激味がなくなるまで水洗し、蒸して乾燥したもの。
㈬ 白附片:にがり水に数日浸漬、芯が透き通るまで煮沸外皮を剥ぎ細切し、刺激味がなくなるまで水洗、蒸して乾燥、硫黄で燻した後ね日干ししたもの。
㈭ 川烏頭:カラトリカブトの子根をそのまま乾燥したもの。
㈮ 草烏頭:カラトリカブト以外の野生品の母根、又は子根をそのまま乾燥したもの。
㈯ 白河附子:江戸時代福島県白河で行われた。数日食塩水に浸漬石灰をまぶして日干し乾燥したもの。
㉀ 加工附子:オートクレープを用いて加圧加熱処理する方法 大阪大学 高橋新太郎らにより開発された。
㈷ 炮附片:油砂で炒める、炭火でや(火考)く、土で炒めるがある。
㉂ 熟附子:生の附子以外の附子の総称
㉃ 製附子:水製附子を指す
㈹ 淡附子:塩附子を水に浸漬し、ある時は豆腐を煮て加える。黒豆を煮て加え再度除毒する。
㈺ 炮天雄:一種の密製保健品
㈱ ほう(包リ)附片:新鮮な附子を直接非常に薄く切る。水洗後恒温で加熱する。
産地による名称では、四川産のものは川附子、川淡附子、川烏頭など川の字を付けて呼ぶことがあります。
産地
烏頭の主な産地は中国です。中国産の烏頭には川烏頭と草烏頭があります。川烏頭は栽培したトリカブトの塊根を乾燥したもので主に四川省、湖北省、湖南省、雲南省、陝西省で栽培されています。そのまま乾燥して烏頭として使用されるか附子の加工原料として使用されます。又、野性のトリカブトを採取し、塊根を乾燥して草烏頭として流通しています。主な産地は四川省、雲南省、貴州省、山西省、河北省、陝西省、遼寧省、内蒙古自治区などです。草烏頭は中国国内で流通しているものです。日本では群馬県、北海道などでオクトリカブト、カラトリカブトが栽培され様々な減毒加工をして、製剤原料、生薬附子として流通しています。
附子の成分
附子にはaconitine,(アコニチン)、mesaconitine,(メサコニチン)、hypaconitine,(ヒパコニチン)、jesaconitine,(ジェサコニチン)等の強毒性のアルカロイドとatisine,に代表される(atisine,napelline,songorine,ignavine,hypoganvine,kobusine等の低毒性のもの、hygenamine,coryneine等の微量の強心性物質が含まれています。

アコニチン系アルカロイドは修治(減毒化)により下記のように成分が変化します。
非常に強い毒性も様々な修治によって修治前の毒性の強いものから、比較的弱い有効成分へと変化して、安全に利用することができるようになります。
       脱アセチル化             脱ベンゾイル化
アコニチン    →    ベンゾイルアコニン    →   アコニン
メサコニチン   →    ベンゾイルメサコニン   →   メサコニン
ヒパコニチン   →    ベンゾイルヒパコニン   →   ヒパコニン
ジェサコニチン  →    14--アニソイルアコニン   →   アコニン
  毒性成分           中間体(有効成分)
  毒性             修治前の数百分の1          修治前の数千分の1

「アコニチン」の名前は、トリカブトを表す古代ギリシャ語「アコニトン」に由来するとも、さらに、地中海の風光明媚な島で多くのトリカブトが自生していたと言うクレタ島の丘の名「アコナイの丘」からきているとも言われています。

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