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明日ゲンキになるマメ知識明日、ゲンキになるためのマメ知識

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子供はなぜ疲れないのか?

天気の良い日は外に出かけたくなる季節がやってきました。公園では子供たちが走りまわり、一緒に遊ぶ親御さんの声も聞こえてきます。でも夕方になると、まだ遊びたい子供をどうやって家につれて帰るか考えたり、一緒に遊んで、疲れている親御さんもみえます。

「子供はなぜ疲れないのか?」子を持つ親の共通の疑問です。

子供が大人より疲れない理由について、ある発見がありました。Le Monde 5月7日の電子版に短信として「子供たちはアスリートより耐久力がある」との記事が載りました。とても興味深いタイトルだったので、元を辿ると、Journal of Frontiers in Physiology(2018年4月)に掲載されている、クレルモン=オーベルニュ大学(フランス)のセバスチャン=ラテル博士の論文でした。以下 「  」 はその要約です。

「子供は疲れない筋肉を持っているだけでなく、高負荷の運動後もとんでもなく速く回復することがわかった。もっと言うなら、十分トレーニングした耐久スポーツアスリートより回復が速い。」その研究手法は、①8~12歳の子供、②日頃運動をしない成人男性、③耐久スポーツアスリート(国内選手権参加レベルのトライアスロン選手や長距離ランナー、長距離自転車選手)の3つのグループにおいて自転車をこいでもらい、エネルギー産生と運動後の回復速度を比較したものです。

「この研究は、私たちの身体が子供時代から大人時代にかけてどのように変化していくのかに対する考えを変えると同時に、子供が持つ運動の潜在能力開発に役立つかもしれない。」

「今回の研究では、①~③の3つのグループそれぞれにおいて、異なる2つのエネルギー産生について評価した。1つ目は有酸素運動、そして2つ目は無酸素運動、ただ、こちらは乳酸が発生する。乳酸は疲労の原因となる物質だ。参加者の心拍数、血中酸素濃度、そして乳酸除去率を自転車こぎテスト後に測定し、被験者がどのくらい速く回復するかを確認した。その結果、子供は日頃運動をしていない大人より、運動能力が優れていることがわかった。」

「子供は、日頃運動していない大人より有酸素代謝を多く使っていた。だから高強度の運動であっても疲れが少なく、とても速く回復した。その回復力たるや、十分にトレーニングした耐久アスリート以上だ。詳しく言うと、運動後の心拍数の低下がより速く、血液中からの乳酸除去も速かったことからもそれが示されている。」

「どうやら子供は遊んでも、遊んでも、まだ遊べる力を持っているようだ。とっくの昔に大人が疲れ切ってしまった後さえも。」

ラテル博士と共同執筆者であるブラゼビッチ博士は、彼らが発見した事実についてこう説明しています。

「多くの親が子供の潜在的な運動能力を発達させるための一番いい方法はないかと尋ねる。我々の研究でわかったことは、子供の頃の筋肉の耐久性は素晴らしいということだ。だから潜在的な能力を引き出すには、まずはスポーツの技術を身につけられるように、色々な運動分野に絞って体験するのが良いかもしれない。今回の研究は、子供の肉体トレーニングを最適なものとすることに役立つかもしれない。そうすれば子供はよりよい動きを身に付け、よりスポーツを楽しめるようになると思う。」

ラテル博士はこう続けます。

「身体を動かさないことに関連する疾患の増加について、成長に伴う身体の変化を理解することが大切だ。つまり成長に伴う身体の変化は、もしかしたら疾患にかかるリスクと関係があるのかもしれない。私たちの研究は、少なくとも細胞レベルにおいての話だが、有酸素運動を行う能力は、子供から大人になるにつれて、大幅に減っていくことを示している。この能力が減っていく時期は、糖尿病などの病気になりやすくなる時期でもある。将来的に我々が観察した筋肉の変化が、直接的に疾患発症リスクと関係があるかどうかが明らかにされると思うと、わくわくする。」

ラテル博士はこうも述べています。

「子供であることが、健康であることなのかもしれない。」

私はこう思いました。

「大人になっても、子供のように考え、子供のように身体を使って遊ぶことが心身ともに健康を保つ方法かもしれない。」

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