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受託製造

受託営業担当 長瀬 貴明

経理から営業に突然の転属

アスゲン製薬に入社したのは2008年で、当時は医療用医薬品の出荷業務をしていました。

しかし、その年にアスゲン製薬では医療用医薬品の製造販売を終了して、薬局・薬店で誰でも購入できる一般用医薬品の製造に特化していくことになりました。

それに伴って、経理担当に配属されることになりましたが、もともと簿記の資格が応募条件だったので、戸惑いはなく経理の業務に携わっていました。

何年か経理を担当していましたが、ある日突然、受託営業担当に転属されました。これまで、営業経験はゼロでしたので最初はわからないことだらけでした。私の担当は受託製造の営業でしたので、主な訪問先は製薬会社様になります。当然、製薬についてはプロの方たちばかり。私も自社で取り扱う製品などは理解していましたが、アスゲン製薬で取り扱わない胃薬などの知識が乏しく感じていました。

お客様との話の中では、当然、自社製品だけではなく、製薬に関する幅広い知識が必要になってきますし、自社の製品や設備についても、営業の観点でしっかりと頭に入れておかなくてはいけないので、学ぶことが多くありました。

製品開発には、法律の知識や開発担当の意見が必要なこともあるので、各部署と連携して、一緒に同行することがありますが、自分自身の知識もまだまだ足りないと感じていますので、日々勉強し、自社商品だけではなく、幅広い視点からお客様に提案ができるようになりたいと思っています。

受託製造は製品化までの長い道のり

受託製造には、相手先ブランドで製造をする「OEM」と、相手先ブランド名で企画開発から行う「ODM」があります。OEMの場合は、フィルムコートのみであったり、錠剤の選別から包装までといった、中間工程のみの受託も多くあります。

企画開発から行うODMの場合は、どのような製品にするかという、製品カテゴリを決め、どのような成分を配合するかといった処方設計もアスゲン製薬で提案をしていきます。そこで、設計書を作成し、試作を行っていきますが、一回でOKとなることはなかなかありません。例えばそれが、錠剤の大きさであったり、コスト面で折り合わなかったりする場合、そこから開発の工夫が必要になってきます。

試作段階でOKとなったら、今度はスケールアップ実験となります。試作で作るのは少量ですが、大量生産となると製造条件が変わっていくため、成分を損なわずに問題なく製造できるかなどを検討し、段階を踏んで徐々にスケールアップしていきます。また、6ヶ月間の安定性試験を実施し、試行錯誤を繰り返して製品を完成させていきます。

ここまでで早くて6ヶ月、お客様の要望によって1年くらいかかることも少なくありません。ようやく製品が出来上がって、次に国や県に承認申請を行い、承認が下りたらようやく製品化が実現します。企画から商品化まで2年くらい掛かってしまうことも珍しくありません。

ただ、商品化できたからといって発売時期はいつでもよい、というわけではありません。製品を置いていただく薬局やドラッグストアなどでは、季節に合わせて陳列を変えていきます。例えば、春を迎えるころには花粉症などの商品を置き始めるので、鼻炎薬は春に発売しては遅すぎます。2年以上かかる製品化ですが、承認のタイミングを逃すと、ほぼ1年先に発売を延期せざるを得ないリスクもあるので、スケジュールを立てるのが難しいところです。

要望の多い小ロットへの取り組み

アスゲン製薬では、漢方や生薬を扱った製剤が得意です。生薬を配合した商品は人気があり、需要もありますが、それに甘んずることなく、幅広い製品に対応できるよう技術の向上と研究を続けております。

また、お問い合わせをいただく中で、小ロットの需要も多いと感じています。お客様からは、「1ロット5万~10万という数では捌ききれないので、1ロット2~3万で製造できないか?」などの要望はとても多く、小ロットでの製造を実現するためにも、各部署が連携しながら柔軟に取り組んでいます。

受託営業としては、まだまだ勉強の毎日ですが、ドラッグストアなどに行き、相手先ブランド名の商品であるため、自社の名前は出ていないけれど、自社で製造している商品が棚に並んでいるのを見つけたときの感慨深さはなんとも言えません。このときこそ、営業の苦労が報われる瞬間です。

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