
オタネニンジンは長野や会津,出雲などで栽培されているが,収穫までに5〜6年かかり,「6年もの」「6年根」などといわれるものが最良品とされ,また一度栽培された圃場は地力が劣るため,その後10年間はオタネニンジンの栽培はできないといわれる.早ければ3年で出荷される人参もあるが,6年根を得るまでに間引かれた細い人参は「間引き人参」とされ,これを天ぷらにしたり炒めたりして食べられている.また,収穫後の加工時に細い根は除かれるが,思いのほか有効成分が含まれているため,このひげ根だけを集めたものをヒゲ人参として日常の健康増進のために,お茶にして飲んだり焼酎に漬けたりして飲食に用いられている.