くすり・病気について
花粉症・鼻炎・アトピー
これらの病気は、ここ数十年で患者が急増していると言われています。
自分や家族が発症してもあわてないよう、
症状や対策などの正しい知識を身につけておきましょう。
花粉症ってどんな病気?
花粉症は、植物の花粉によって起こるアレルギー性の病気です。常日頃の予防治療が大切です。
花粉の種類
スギ花粉症が代表的ですが、ほかにも花粉症を引き起こす植物は主に次のようなものがあります。
針葉樹 | スギ・ヒノキ等 | |
---|---|---|
広葉樹 | ハンノキ・シラカバ等 | |
イネ科 | カモガヤ・オオアワガエリ等 | |
キク科 | ブタクサ・ヨモギ等 |
花粉のカレンダー

よくある質問
- どんな症状が現れるのですか?
- 鼻・目などの症状が主で「くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ」が代表的です。進行していくと全身症状として集中力の低下・だるさ・熱っぽさ・倦怠感・イライラなどの症状が現れてきます。
- 花粉症の人はどのくらいいるのですか?
- 日本人の5人に1人は花粉症になる体質を持っていると言われています。中でも多いのがスギ花粉症で、その8割を占め、そのうちの約半分の方が発症しています。
鼻炎とは?
鼻の粘膜が炎症を起こした状態が鼻炎です。鼻炎はかぜなどの感染症による急性鼻炎と、花粉症などに代表されるアレルギー性鼻炎に大別されます。アレルゲン(かぜのウィルス、花粉、ハウスダストなど)が体内に侵入することによって、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどが引き起こされます。
アレルギー性鼻炎と鼻風邪の違い
アレルギー性鼻炎 | 鼻風邪 | |
---|---|---|
鼻 水 | サラッとした水状で透明。止めどなく流れる | 黄色っぽく粘状 |
発 熱 | ほとんどないが症状がひどくなると微熱を伴うことも | ほとんどが発熱を伴う |
目のかゆみ | 目のかゆみを伴うこともある | 目の症状はほとんどなし |
時 期 | 毎年同じ時期 原因がハウスダストの場合、通年 | 季節を問わずかかる |
回 復 | アレルギーの原因物質がなくなるまで長期間続く | 短期間で快方に向かう |
その他 | 家族がアレルギー体質である場合が多い |
よくある質問
- アレルギー性鼻炎と風邪の違いを教えてください。
- 風邪では、朝だけ鼻のむずがゆさや、くしゃみ・鼻水の症状があるということはありません。また目のかゆみがあるかないかも判断の助けとなります(上図参照)。
鼻炎があると鼻がつまり、口で息をするために、のどが荒れて風邪をひきやすくなり、鼻炎と風邪が一緒に発症することがよく起こります。 - 生活上の注意ポイントは?
- アレルギー性鼻炎、風邪に共通して言えることですが、普段からバランスのとれた食事や、適度な運動を心がけましょう。また、花粉症や風邪が流行する時期には、マスク、手洗い、うがいなどで予防しましょう。
アトピーとは?
本来は、アレルギー疾患全般を「アトピー」といいますが、日本では「アトピー性皮膚炎」を指すことが多いです。アレルギー反応と関連のある痒みを伴う湿疹が繰り返して出現します。遺伝的に「アトピー体質」の方が発症しやすく、他のアレルギー疾患(気管支喘息やアレルギー性鼻炎)にもかかりやすい傾向があります。
よくある質問
- アトピー性皮膚炎はなぜ起こるのですか?
- アトピーの原因には、家族歴などの遺伝的要素、衣食住などの環境的要素、ストレスなどの心理的要素があります。アトピーの人は皮膚が乾燥しやすく、バリア機能が弱いため、アレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)が体内に容易に侵入し、アレルギー反応が引き起こされるのです。
- アトピーを悪くしないようにするにはどうしたらよいですか?
- 原因がわかっている場合は、それをできるだけ避けることが大切です。
衣服 皮膚への刺激を少なくするため、柔らかく通気・吸湿性の良い繊維を選ぶ。洗濯の際は洗剤が残らないようによくすすぐ。 寝具 柔らかい素材のシーツやカバーを使い、日光に当てて干し、取り込むときは掃除機などでほこりなどをとる。 入浴 石鹸はよく泡立て、軽くなでるように洗う。ナイロンタオルなど皮膚に刺激が強いものは避ける。 部屋 こまめに掃除・換気をし、花粉やハウスダストなどアレルゲンとなるものを部屋に留めない。 食事 アレルギーの原因が食べ物の場合、それを食べるのを控える。ただし子どもの場合、過度の食事制限は成長阻害を引き起こすことがあるので、医師などの指導を受けること。 その他 適度に気分転換をし、ストレスをためないようにする。