
半夏の主な成分はフェノール類(ホモゲンチジン酸,3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒドジグルコシド),多糖類(アラビノガラクツロナン)などで,煎液には鎮咳,去痰,唾液分泌亢進,鎮吐作用,水製エキスには鎮静,鎮吐,抗アレルギー作用などの薬理作用があるとされる.半夏の特徴は齧ったときのえぐ味と粘膜への刺激感(喉のイガイガ感)であり,その程度は強く,直ぐに生姜を齧るまたはショウガ汁を服用することで,この刺激は多少緩和する.半夏が配合されている処方の殆どに生姜や乾姜が配合されている.また,中国では予めえぐ味をとるために,半夏に生姜の煎じた汁などを加えて修治する姜半夏などがある.えぐ味は3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒドジグルコシド,口唇粘膜に対する刺激は粘液細胞中にあるシュウ酸カルシウムの針晶によるものとされる.