細辛について その5
カンアオイはギフチョウが好んで食べる食草で有名であるが,ウスバサイシンはヒメギフチョウの食草である.ギフチョウは温暖な地域に,ヒメギフチョウは冷涼な地域に生息しており,その分布はリュードルフィアライン(ギフチョウ線)と呼ばれ,おおよそフォッサマグマの西にギフチョウ,東にヒメギフチョウが棲み分けている.ヒメギフチョウはカタクリの花の蜜を吸い,ウスバサイシンの葉裏に卵を産みつける.早春の一時期だけその美しく舞う姿を見せることから,スプリング・エフェメラル(春の妖精)と呼ばれる.ギフチョウやヒメギフチョウは餌とする食草が限られており,食草であるカンアオイ類やウスバサイシンなどの生育地が保全されないとこれらチョウの生息範囲も狭められ絶滅する恐れがあることから,草刈りや落ち葉かき等の保護活動が全国各地で行われている.
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