ドラッグリポジショニング
弊社では睡眠改善薬として「ナイフル」(製品名)を扱っております。
本製品は有効成分として「ジフェンヒドラミン塩酸塩」を含んでいますが、一方でこの成分は抗ヒスタミン薬としてくしゃみ、鼻水などアレルギー症状を抑える目的でも用いられています。以前から抗ヒスタミン薬を服用すると、その副作用として眠くなることが知られていましたが、この副作用を逆手にとった製品が睡眠改善薬「ナイフル」です。
このように、薬の中には目的があって開発したものの、当初の目的以外の効能・効果が見出されたことで、私たちの役に立っているものがあります。いくつか例をご紹介します(以下、① ~ ⑤。「 」内は有効成分名)。
① 高血圧の治療薬「ミノキシジル」 → 増毛薬
② 狭心症の治療薬「シルデナフィル」 → 勃起障害治療薬
③ 抗うつ薬「ブプロビオン」 → 禁煙補助薬
④ 抗てんかん薬「ゾニザミド」 → パーキンソン病治療薬
⑤ 緑内障の治療薬「ビマトプロスト」 → まつ毛をのばす効果のある薬
ご紹介した例のように「既にヒトでの安全性が証明されている薬の新しい効果を見つけ出し、その薬を別の病気の治療薬として開発すること」を「ドラッグリポジショニング」といいます。または「薬を適用させる病気を拡げる」という意味で「適応拡大」と呼ばれることもあります。新薬開発が低迷する中、現在注目を浴びている開発方法です。
「ドラッグリポジショニング」が私たちの生活を豊かなものにしてくれることに期待したいと思います。
(参考:BLUE BACKS「創薬が危ない」 水島徹 講談社 2015 )
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