SDGs 「地球の平均気温が上がったら・・・? SDGs目標No.13 "気候変動に具体的な対策を"」
9月とは言え、まだまだ暑いですね。
今年の夏も日本各地は、時折40℃を超える気温に翻弄されたと思います。
熱中症で倒れる方が続出、暑さによる野菜への影響が引き起こす価格高騰、クーラー使用による電力ひっ迫・・・。
日本だけでなく、世界中でも氷河の融解による洪水、熱波、干害、山火事が発生しています。
これ以上夏が暑くなったら、私たちは今までと同じ生活を送ることができるのでしょうか?
今日は「+6℃ 地球温暖化最悪のシナリオ」(2008)という本からのお話です。
冒頭にはこんなことが書かれています。
「産業革命(1760~1830年代)が始まってから二酸化炭素は35%増え、もう一つの温暖化ガスであるメタンの濃度は2倍になった。
地球の平均気温は150年前より約0.8℃上昇した。
二酸化炭素濃度は今でも増加し続けているので、今後はこの平均気温がさらに速いペースで上昇すると思われる。」*
たった0.8℃。それほど問題なのでしょうか。
日常生活で1℃の温度変化を感じることがあるでしょうか。
確かにクーラーの設定温度を変えるとその差を感じることがあるかもしれませんが、通常あまりないと思います。
ただ、注意してほしいのはこの0.8℃は「地球の平均気温上昇」というところです。
あくまでも極地から熱帯までの平均上昇値であることを考えれば、0.8℃の上昇とは言え看過できないでしょう。
そこで今後このまま温暖化が続き、地球の平均気温が上昇した場合、どんなことが起こるのか表にまとめてみました。
なお、この本が出版された2008年から15年が経とうとしているので、残念ながら既に現実となりつつある事案もあるかと思います。
著者は何とかして+2℃までの気温上昇に抑えるよう主張しています。
その理由は、今、この時点で二酸化炭素の排出をゼロにしても、過去からの影響は残るため、気温は上昇し続け、これにによって世界各地でおこる現象がお互いに連鎖反応を起こし、加速度的に温暖化が進んでしまうからです。
どんなことが起こるのか早速見ていきましょう。
以上は未来に起こるかもしれないことの一例を述べたに過ぎません。
当たり前ですが、+1℃で起きたことは+2℃になった時に止むわけでなく継続し、次の段階で起きる現象がそこに積み重なっていきます。
実際は今の段階で想定できない要因が加わることで気温上昇の速度は上下するかと思います。
悪いことばかりを話してきましたが、希望が無いわけではありません。
二酸化炭素やメタンを固定化して保存できる技術が開発されるかもしれませんし、エネルギー効率のよいクリーンエネルギー機関が出てくるのかもしれません。
また、世界の人たちが今よりも、お互いの立場を尊重し、資源を融通しあうことを良しとする概念が出てくるのかもしれません。
一方で対策は講じたものの、やはり気温上昇は止まらないかもしれません。
1℃の差は体感しにくいかもしれませんが、地球に与えるインパクトは計り知れないことが今日のお話で分かっていただければ幸いです。
今の私たちにできる事は、日常のほんの些細なことであっても二酸化炭素削減への取り組みとして続けていくしかないと思います。
地球温暖化による気候変動を少しでも遅らせることが、地球人として今を生きる私たちが果たす、未来人に対する義務ではないでしょうか。
* 「+6℃ 地球温暖化最悪のシナリオ」 マーク・ライナス ランダムハウス講談社 2008
**一般に温度計による直接的な観察は1850年頃から始まったとされ、これ以来、地表面付近の準地球規模の気温の信頼できる記録が得られるようになった。
それ以前にも温度計で計測された気温の記録が存在するが、温度計の普及率と規格化の問題があり信頼度は低い(Wikipedia 過去の気温変化)。
また、世界気象機関(WMO)の報告書は世界の平均気温の比較の際には産業革命以前の基準とされる1850~1900年を元にしている。
上記の理由から1850年頃からの温度上昇として今回のお話を捉えて頂いた方が分かりやすいと考え、表には「1850年頃」と記載した。
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