SDGs 「人生においてお金の他に大事な物とは? SDGs目標No.3 すべての人に健康と福祉を」
明けましておめでとうございます。
年始に当たり「よい人生を送るには?」について考えてみたいと思います。
良い人生を送るための条件と言えば「お金」が充分にあることでしょう。
みなさんは2019年に金融庁が提出した、金融審査会市場ワーキング・グループ報告書により「老後2,000万円問題」が話題になったことを覚えておられるでしょうか。
老後の生活のためには退職までに2,000万円を準備しなければならない、という内容だったかと私は記憶しています。
65歳以降、つまり退職後夫婦二人で月の生活費20万円とすると、年間240万円、2000万円では10年もたないことになります。日本人の平均寿命は男81.47歳、女性87.57歳を越えている事実を知るとかなり不安になります。
では現役時代に働けるだけ働いて老後に備えよう!と思っている方にチベット仏教の最高指導者ダライ=ラマ14世の言葉を贈ります。
「人はお金を稼ぐために健康を犠牲にし、健康を取り戻すためにお金を犠牲にする。また、未来を心配しすぎるあまり、現在を楽しめない。その結果、現在を生きることも、未来を生きることもできなくなっている。そして自分の命が永遠に続くかのように日々を漫然と生き、真の意味で生きることができないまま死んでいく」
しかしながら、「良い人生」に関する様々な調査研究は「お金があれば幸せになれるとは限らないが、お金は良い人生を送るためには重要と言える」との結論に落ち着いているようです。
一方で人生全体を通じた幸福感と満足感を調査した他の研究結果を見ると、幸福な満足した人生のために最も重要な要素は「お金ではない」ことが分かりました。
では重要な要素とは? それは「温かい人間関係」だったのです。
65歳以降、幸福感と満足感のある人生を送るためには、若いうちから自分に必要なものは何かをよく考えて生きる必要があります。そして人生の時期によってはお金を稼いだり、友達や配偶者やパートナーとの関係を充実させたりすることも重要です。
ここまで書いてきて思い出したことがあります。私の亡くなった祖父が、結婚を前にした父母に対して贈った言葉を思い出しました。
「一人飯は食えぬが、二人飯は食える」
私は子供のころ、この話を母から聞いてこう思っていました。
"一人暮らしで食べていけない収入だったら、二人になったらさらに収入が減って食べていけなくなるのでは?"
大人になってからはこう思うようになりました。
"一人暮らしで病気になったら収入がなくなって生活できなくなるが、二人で暮らしていれば、もう一人が働くことで生活していける"
しかし今はこう思っています。
"独りぼっちで食べる食事が毎日続くと満腹にはなっても、何か満たされないだろう。でも二人で摂る食事は質素であっても満たされた時間を共有でき、良い人生が送れる"
お金か、健康か、それとも人間関係なのか。豊かな人生を送るためにはこれらの鼎立が大切ですね。
(参考)「LIFE SHIFT2」 東洋経済新報社 2021
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