健康の値段はいくら?
例年より早めの桜便りが届く中、弊社では期末研修会が開催されました。
その中で「退職後のお金を準備」について話してくださった講師の先生の言葉が私の心に残りました。
「お金も大事ですが、健康も大事ですよ。健康へ投資することが一番大事です」
確かにその通りです。いくらお金があっても「健康はお金では買えない」ですからね。
私は思いました。「健康の値段っていくらだろう? 目に見えないけれど毎日の生活において、体のどこにも痛みが無く、ご飯がおいしく、行きたいところに自分で行け、寝て起きることを維持するためにかかっているお金はいくらだろう?」
そこで私は「腎臓」に注目することにしました。
従来、腎臓は尿の産生を作っているだけと考えられていましたが、最新の研究において他の臓器と連絡を取り合い、体を正常に保つための体内ネットワークを制御する重要な臓器であることが分かってきたからです。
このように大切な機能を持つ腎臓ですがその機能は主に生活習慣(食事、運動、睡眠)の乱れが長年続くことにより徐々に失われていき、慢性腎不全(CKD:Chronic Kidney Disease)を発症します。腎臓の機能が正常の15%程度に低下すると人工透析が必要と考えられています。
人工透析とは、腎臓が行っている体液のろ過を肩代わりする治療です。これは専門の施設で週3回、1回約4時間をかけて血液をきれいにするものの、その効果は腎臓の1/10程度とされており、患者にとって十分とは言えないことから、食事療法や運動療法と併用されます。
さて、費用の話になります。「1年間いくらかかるか?」を考えてみます。
一般社団法人 全国腎臓病協議会によれば、1ヶ月の透析治療の医療費は、患者一人につき外来血液透析では約40万円かかるとされます(実際の個人負担は高額療養費の特例として保険給付されるため、上限1万円です)。
40万円 × 12か月 = 480万円
さらに透析を受けている時間による損失も考えてみました。
1回4時間、週3日 (時給:2000円)とすると
2000円 × 4時間 × 3日 × 4週間 × 12か月 ≒ 115万円
さらに食事制限による喫食機会の損失や、抑えきれない体調不良は値段が付けられません。
腎臓は1個あれば機能するので、医学上の1個の値段はおよそ600万円? 2個なら1200万円?!
この1200万円を主な臓器の値段として、腎臓を含む他の臓器16個(脳、心臓、肺、胃、肝臓、すい臓、脾臓、胆のう、小腸、大腸、骨、筋肉、皮膚、血液、免疫細胞そして腎臓)に掛けると・・・
1200万円 × 16 ≒ 2億円
つまり乱暴な計算ではありますが、人が1年間健康に生きるためには約2億円かかることが分かりました。私も計算してみて本当に驚きました。逆に考えると、私たちは気付かないうちに年間2億円を受け取っている、ということにならないでしょうか。冒頭の先生も計算されたのかもしれません。
いつまでも健康でいるために、今から生活習慣の改善に取り組むことこそ、本当の投資なのかもしれませんね。
(弊社ホームページ 「明日元気になる マメ知識」 2023年1月、2月掲載分もご覧ください。)
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