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明日ゲンキになるマメ知識明日、ゲンキになるためのマメ知識

アスゲンのお薬に使用されている成分の原料や
それぞれの効能などをわかりやすくご紹介しているページです。
健康に関する最新情報もあわせて随時更新してまいりますので、
毎日の豊かな暮らしづくりにぜひご参考ください。

SDGs 「ビタミンAと腸? No.3 すべての人に健康と福祉を」

私たちの身体は様々なものを外部から取り込むことにより成り立っています。空気、水、食べ物。食べ物は炭水化物、タンパク質、脂肪に加え、野菜などの繊維、ミネラルの他、今回取り上げるビタミンを含んでいるため、アンバランスな食生活は健康を損ないます。弊社ではビタミン製剤として「アスゲンAD」をご用意しています。本製品には脂溶性ビタミンであるA、D、Eを含みます。どれも大切ですが、今日はビタミンAと健康について考えてみたいと思います。

ビタミンAの作用として良く知られているのは「眼の乾燥感」や「夜盲症(とり目、暗所での見えにくさ)」を和らげるという主に「視覚」に関するものです。

眼の乾燥感を感じるのは、目の粘膜が乾燥することによるものですが、これは何らかの作用によって涙や粘液が減少することが原因と考えられています。

もし目が潤っていなかったらどうなるでしょうか? 涙や粘液は外界から体の中に侵入しようとするゴミ、細菌やウィルスを流したり、絡め取ることで体内への侵入を防ぎ、感染や炎症が起きないようにしていますが、それができなくなってしまうのです。

眼のように、体が外部と直接触れる場所で粘液により保護されている器官は他にもあります。鼻、口、気管支、食道から腸に続く消化器官が良く知られています。

特に腸は広い表面積を持つことから外部と接触する機会が多く、その表面は免疫細胞を含んだ粘液できちんと覆われていないといけません。

近年、健康維持のためには腸内環境を整えることが大切であるとの情報を目にすることが多くなりました。ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品を摂ることが腸内環境の改善や保全に役立つ事は良く知られていますが、ビタミンAがそれに一役買っているとしたらどうでしょう。

先日、ある論文を見つけました。「ビタミンAが腸内の免疫機構に影響を与えている」※ というものです。概要を示します。

●世界では、いまだに多くの子供達が栄養不良により死亡している。その主な原因は感染症による持続性の下痢である。Sommerら(Johns Hopkins大)は、ビタミン A補給により,この下痢症状が改善して死亡率が低下す ることを1986年に初めて報告した。その後、特に5歳以下の乳幼児に対しては顕著な効果があることが明らかとなってきた。

●ビタミンA補給によって乳幼児死亡率が低下する理由は、主に消化器系への効果によるものと考えられた。

●その作用メカニズムはビタミンAの代謝産物であるレチノイン酸が、小腸の組織にTリンパ球を配備するのに必須な因子だということである。

●レチノイン酸は、腸管粘膜を含めた上皮の代謝回転を促進することによって、外界とのバリアーの完全保持にも寄与していると考えられる。

ビタミンAを適切に摂取することは眼の為だけでなく、腸を通じた健康維持のためにも大切ではないでしょうか。

なお、論文後半にはビタミンDに関する免疫機構への作用についても展望が語られていたことから、今後もビタミンAを含めた他のビタミンに関する新しい発見が待ち望まれます。

そしてこれらの研究が進むことで、世界の子供たちの栄養状態が改善されていくことを期待しています。

※ 参考:「腸管免疫におけるビタミンAの役割」腸内細菌学雑誌 21:297-304,2007

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