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明日ゲンキになるマメ知識明日、ゲンキになるためのマメ知識

アスゲンのお薬に使用されている成分の原料や
それぞれの効能などをわかりやすくご紹介しているページです。
健康に関する最新情報もあわせて随時更新してまいりますので、
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コーヒーはせきを止めるのか?

新型コロナウィルス感染症が第2類相当から季節性インフルエンザと同じ第5類に移行(5/8~)してから3ヶ月が経とうとしています。

少しづつ日常を取り戻しつつはあるものの、時折、周りの方が感染したとの話を聞くことも多いのではないでしょうか。

また回復されても、「せきだけ残っちゃって苦しいんだよね」との症状を訴える方もおられます。

せきの症状を緩和するには鎮咳去痰薬(ちんがいきょたんやく。いわゆるせき止め薬)の服用をおススメしますが、出先などで入手できない場合もあるでしょう。

そんな時には「ハチミツ入りのコーヒー」をためしてみてはどうでしょうか? えっ、コーヒー??

今日はハチミツ入りのコーヒーがせき止めに使える可能性があるかも? という論文を紹介したいと思います。

「 かぜの後の長引くせきにどっちが効く?  ハチミツ入りコーヒー VS 吸入ステロイド(意訳) 」

Honey plus coffee versus systemic steroid in the treatment of persist post-infectious cough: a randomised controlled trial/Primary Care Respiration J 2013; 22(3): 325-330

患者におけるハチミツとコーヒーの治療効果を評価し、ステロイドおよび対照/プラセボ剤と比較したところ、全身性ステロイドと比較して、ハチミツとコーヒーの組み合わせがかぜの後の長引くせきに対して、より良い治療法であることが示された。

<詳 細>

●ハチミツがせきを止める正確な作用機序ははっきりとわかっていないものの、酸性度、浸透圧、および過酸化水素の生成が、重要な要因であるとされている。

●ハチミツは、適用部位でのプロスタグランジン合成を減少させることにより、血漿プロスタグランジン濃度を低下させ、また病変の一酸化窒素(NO)レベルを上昇させるほか、抗酸化作用と抗炎症作用を持つ。

●ハチミツとコーヒーは別々にいくつかの呼吸器疾患に治療効果があると報告されており、粘膜組織の治癒を誘発する可能性がある。これらの組み合わせの正確な作用メカニズムは不明であり、完全には説明されていないが、せき止め作用は 2つの物質の相乗効果による可能性がある。

●この組み合わせは、粘膜の落屑および粘膜の過敏性によって引き起こされる神経終末の損傷を修復し、粘膜組織の治癒に改善をもたらす。

この論文は中東のイランにあるテヘラン大学によるものです。イランは国土のほとんどが標高の高いイラン高原にあり(首都テヘランの標高は1,200m)、空気が乾燥しています。加えて以下の理由もあり、イランは呼吸器系の問題を抱える方にとっては厳しい環境と思われます。

 1)テヘランの経済成長により、自動車が急増したことによる深刻な大気汚染が問題になっている(汚染原因の 80 % が自動車、20%は産業活動)。

 2)テヘランは内陸の盆地にあり、北を山脈に遮られていることから、空気が淀みやすく、スモッグが発生しやすい。なお大気汚染による年間死亡者数は、2012年は4,460人(保健衛生当局)。

 3)イランは2015年まで欧米による経済制裁が続いており、一旦解除されたものの、2018年8月に再度、経済制裁が科され現在も続いている。これを受け、国民生活は困窮。従来より高額な医療費もあり、病院にかかれない人が多い。

特に3)は深刻で、咳がひどくても病院はおろか、薬も買えない方が多い状況を大学の研究者は看過できなかったのでしょう。そこで民間でも入手しやすいコーヒーとハチミツの組み合わせについてせき止めの効果を研究し、論文にまとめたものと思われます。今後のイランでこの研究報告が生かされ、せきに苦しむ人が少なくなっていくことを願います。

日本においても様々な理由でせき止め薬を必要とされている方がみえます。弊社の製品がせきで苦しんでいる方のお役に立てることを心から願っております。

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