SDGs「医薬品による河川の環境汚染 SDGs 目標 No.6:安全な水とトイレを世界中に」
今年の夏は本当に暑かったですね(汗)。
日本各地で気温が40℃を越えた都市が多数あったと記憶しています。
弊社は夏場に40℃越えを記録することが多い岐阜県多治見市の、北東約20キロの瑞浪市に位置しております。
両市とも東濃地方を流れる土岐川の恵みを受け発展してきた町であり、私自身、通勤途中にいつも川の織り成す四季の風景に心癒されています。
今では美しい土岐川ですが、かつて白濁していた時代がありました。しかし水質汚濁防止法の施行や汚水処理技術の進歩、汚水の 排出元である工場等の努力により水質はたいへん改善され、白濁する前の土岐川になっています。 瑞浪市では、生活排水対策として、公共下水道・農業集落排水の整備、および合併浄化槽の設置補助を行い、水質の改善に取り組んでいるとのことです(瑞浪市HPより引用)。
河川の水質改善と言えば、2000年代に入ってから「医薬品廃棄物が世界の河川を脅かしている」との話が聞かれるようになりました。
「医薬品廃棄物って、使用後のビンや送液チューブやガラスのことだろう?」
しかし改めて調べてみると、意外なことにそれらの報告は医薬品成分そのものについてでした。
さらに未使用の廃棄医薬品ではなく、服用後または皮膚に塗った後、体内にて吸収・代謝され、体外に尿として排出された物質による汚染を問題にしていることも驚きでした。
以下、2018年4月11日AFP通信の記事より関連部分を引用します。
「2018年4月10日にオーストリア ウィーンで開催された欧州地球科学連合(EGU)の年次総会で調査結果を発表した国際研究チームによると、現在の傾向が続けば河川に進出している医薬品両出物の量は21世紀半ばまでに70%増える恐れがあるという。・・・ 鎮痛剤、抗生物質、抗血小板薬、ホルモン剤、抗精神病薬、抗ヒスタミン剤など、環境内に存在する多数の薬剤が自然界において、野生生物に危険が及ぶ濃度で検出されている。例えば環境ホルモンは魚類や両生類の性転換を引き起こすことが知られている。
研究チームは、陸水生態系全域での薬剤の存在量と拡散率を推定するために、消炎鎮痛剤の「ジクロフェナク」を代表例として選んだ。・・・ ジクロフェナクの世界世界消費量は年間2400トンを超える。うち数百トンがし尿中に残存し、処理施設にフィルターで除去されるのはそのうちの約7%とごく一部にすぎない。そして全体の20%が自然生態系に吸収され、残りは海に流れ込む。」