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明日ゲンキになるマメ知識明日、ゲンキになるためのマメ知識

アスゲンのお薬に使用されている成分の原料や
それぞれの効能などをわかりやすくご紹介しているページです。
健康に関する最新情報もあわせて随時更新してまいりますので、
毎日の豊かな暮らしづくりにぜひご参考ください。

病気で発熱している時は、眠れているのか?

先日、初めて新型コロナウィルスに感染しました。疲れがたまっていたせいか、あっという間に発熱し、2日間39℃から40℃の発熱にのどの痛みが加わり、本当に大変でした。何が一番大変だったかいえば、熱が高過ぎるせいか、眠れないのです。2時間おきに目覚め、熱やのどの痛さに耐えて、また眠りに落ちることを繰り返すのですが、健康な時の睡眠と異なり「よく寝た!」ということがありませんでした。以前、私は自身の睡眠状態を活動量計で測定し健康管理に役立てていることを記事にしました(2022年11月)。今回は病気の時のと健康な時の睡眠状態を比較して何か皆様の役に立つことを見つけられないかと思ったのですが、病気の時は1日中寝ていたため、活動量計が睡眠と活動をうまく判別できず、詳細な睡眠データが取れていませんでした(泣)。そこで気を取り直し、1日24時間の活動を確認してみました。

40℃の熱が続いた1日(図 A) と 健康な1日(図 B)です。

円ブラフの見方です。白い部分は眠っている、灰色は起きてはいるが眠っていない、そして青色が濃くなるにつれ活動量が高くなります。なお、1日の始まりは夜中の24時(午前0時)です。

なお発熱していた時はずっと寝ていたため、1日の目標活動量(A,B最下部の横棒グラフ)に遠く及ばず、4%の活動量でした。

Aの発熱時の円グラフから気付いたことを書いていきます。

  1)いつもなら熟睡している夜間から朝方(24~8時頃)をみると、数十分おきに起きている。

  2)その後昼間に、夜眠れなかった分を取り返すかのように眠っているが、30分~2時間弱ごとに起きている。

  3)夜間は長く眠っても2時間程度(18~20 時と 22~24時頃)。

  4)活動の昼夜逆転が起きているような気がする。

1)~4)をもとに健康時であるBの円グラフを見ると、眠っている部分と活動している部分が明確であることが分かります。

結論として「病気により発熱すると健康時に比べて睡眠パターンに乱れが生じる」ことが分かります。

近年では睡眠についていろいろなことが明らかにされてきています。

良く知られていることは、「ヒトの体内の睡眠周期を司る「時計」は、時計の24時間とずれているが、太陽光を目に浴びるとリセットされる。」ということです。目の不自由な方の2割程度は睡眠障害に悩まれているとされることから、目からの太陽光入射は睡眠リズムの安定に重要とされます。

さて、体温と睡眠は関係があるのでしょうか。「1日における体温の変動」(図 C)をご覧ください。

●24時間起きているとき、眠気がとても強くなるのは午前3時~5時頃であることが分かっているが、その時間帯の体温は変動の最低値を示す。

 → 重要な仕事だが単純作業をするには最悪の時間帯。客船タイタニック号の氷山見落としによる沈没を始め、様々な産業での見落とし、操作間違いによる事故はこの時間帯に起きていることが多い傾向にある。

●眠くなる時間帯の直前には目が冴えて、眠ることが難しい時間帯がある(上グラフの21~24時の傾きが急になっていることに注目)。

 → いつも23:00に寝ているのに、明日出かけるから21:00に寝よう!としてもすぐには寝付けないことがある。

もうひとつ。「体温変動と睡眠持続時間との関係」(図D)を示します。発熱と睡眠時間の長短に何か関係があるのでしょうか。

これは体温が高い時、または低い時に眠った人が、どのくらい睡眠時間を取ったかを水色の丸で個別に表示したものです。

体温が高い時に眠りについた人は睡眠時間が長く、一方、体温が低い時に眠りについた人は睡眠時間が短くなる傾向が見られました。

●睡眠と体温は同調しており、人が眠くなる時は体温が下がる。しかし眠るときに体温が高いと、眠ることが困難になり、その睡眠時間が体温が低い時の入眠による睡眠時間より長くなる傾向が見られる。

  → 病気などで体温が高い状態が続くと、睡眠時間が延びる場合が多い。ただし、延びた睡眠時間の分、睡眠の質が上がるとは限らない(途中で起きることが多くなるかもしれない)。

これらの内容から、自身の罹患経験を踏まえて、病気からの回復に役立つことは無いかと考えてみました。

1)病気の時は、健康時でも眠くなる時間帯(3:00 ~ 5:00AM) は熟睡していた方がよさそう。

2)解熱剤を服用する時間帯は、発熱する時間帯ではなく、体温が低くなる時を見計らって服用するとより楽になるかもしれない。

 → 薬の解熱作用を最大限に利用するには目標体温までの下げ幅は小さい方が良いから。

3)頭や首回りを保冷剤などで冷やし、効果的に体温を下げ眠れる状態に体を導く。

 → 今回の発熱時、首周りを冷やすと良く眠れたのは、首には太い血管が通っており、ここを冷やすことで血液の温度が下がり、全身を効率よく冷やせたから

今回は少し専門的になりましたが、この内容が皆様の良い睡眠と、発熱からの速い回復に役立つと信じております。

新型コロナウィルスは罹患すると発熱の他、せきが多く出たり、回復してからもせきが続いたりします。また罹患中、ひどいのどの痛みに見舞われることもあります。

長引くせきやのどの痛みは安眠を妨げる原因になるでしょう。そんな時は弊社の鎮咳去痰薬であるアスゲン散EX,・錠EX、錠Aアスゲンを、そしてのどの痛みにはトラネキサム酸配合のアスゲンT錠をお勧めします。

【 参 考 】

  ①「SYNC(シンク) なせ自然はシンクロしたがるのか」S・ストロガッツ 著/長尾 力 訳(2014 早川書房)

  ②「時間診療学」田村 康二 編(2001 永井書店)

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