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明日ゲンキになるマメ知識明日、ゲンキになるためのマメ知識

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SDGs「森を歩くと癒されますよね・・・」
SDGs 目標 No.15:陸の豊かさも守ろう

5月です! 風はさわやかで外に出かけたくなる季節がやってきました。休日の予定が埋まっている方も多いかもしれません。

今回は古来、多くの旅人が行き交った旧街道「中山道」のお話です。なんと、わが社のある岐阜県瑞浪市には、この中山道が通っているのです!

中山道は、江戸時代までは太平洋側を通る「東海道」とともに、日本の東西をつなぐ重要な街道として栄えていました。

明治時代以降、鉄道や自動車の発達に伴い、中山道は次第に寂れてしまいましたが、近年、行政や地元の有志の方々の尽力により整備され、今もその佇まいを感じることができます。特に旧宿場町の馬籠宿(まごめじゅく)は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような趣を持つことから、日本だけでなく海外からの観光客も魅了しています。

そんな歴史的な旧街道がわが社のすぐ近くを通っているのに訪れない手はありません!! 早速行ってみました!

私の選んだルートはJR中央線中津川駅から同瑞浪駅までの行程約40km。中津川駅から恵那駅にかけては旧跡も多く(説明が充実しています!)、往年の中山道はこんな風だったのだろうかと思いを馳せる風景が続きます。

しかし、本当の中山道は恵那駅を過ぎて2kmほど西に行ったところから始まります。「十三峠」。中山道屈指の難所といわれ、何か所かかなり急な道中が続きます。その入り口には「ここから30km程度、水も食べ物も補給できないので十分準備して歩いてください(抄)」という内容の注意書き(写真中央左)があり、ビビります。勇気と準備を整えて歩き始めます。

細かいアップダウンが続くため、脚がつらくなってきますが、時折現われる風景に本当に癒されます・・・。鳥の鳴く声と風の音しか聞こえないくらいの静けさですが、喧騒に慣れてしまった現代人にとっては逆に新鮮な体験です。こんな時にかつて中山道を往来した人々のことが想像されます。

「東海道の方が平坦だから、楽だったろうになぜ中山道を歩いたのか・・・。道の途中の茶屋はどこにあったのか・・・。もしかしたら、自分のご先祖様の1人くらいはここを歩いたかも・・・。」

森を抜けるつど、小さな集落に出てほっとすることを繰り返しているうちに、杉林の中を伸びる急勾配の道に入っていました。道の両側に植林された杉の、空さえも隠してしまう威容に驚愕し、茫然としました。人間の時間と杉の時間の流れ方は大きく違うことに感じたからかもしれません。

この坂を上り切り、大湫町を経て、その後無事、瑞浪駅に到着することができました(安堵・・・)。

この山間を何の無理もなく、流れるように京都まで続いていく中山道は、今後どうなっていくのでしょうか。今回通った道は下草が刈られ、道標が整えられ、整備されすぎず、埋もれずの絶妙な塩梅で風景の一部を構成していました。この景観の素晴らしさは森林の豊かさに依るものと考えますが、それは中山道の整備を含めた森林保全に対する国と地方自治体の取り組みの賜物です。今、日本に森林はどのくらい残っているのでしょうか?

日本の国土面積に対する森林面積の占める割合(森林率)は、OECD(経済協力開発機構:国際経済全般について協議することを目的とした国際機関)に加盟する38か国中、第3位(68%)です!(
※1) 、※2))。なお、1位はフィンランド(74%)、2位はスウェーデン(69%)、4位は韓国(65%)、5位はスロベニア(62%)、そして38位はアイスランド(0.5%)でした。ちなみに森林率世界1位は南米大陸のスリナムで97%です。

同様に、日本における各都道府県の森林率を見ていくと、1位は高知県(84%)、2位は岐阜県(81%)、3位は長野県(79%)、そして47位は大阪府(30%)です。なんと岐阜県は森林率全国2位だったんですね!(※3)

さらに東濃地域におけるわが社周辺の街の森林率も調べてみたところ、中津川市(78%)、恵那市(77%)、瑞浪市(70%)、土岐市(65%)、多治見市(48%)でした。なお、比較のために調べてみた名古屋市はたったの3%!(※4)

また、「地球上で森林破壊が続いている」との報道を耳にしますが、破壊のスピードは少しづつですが緩やかになっています。

なお、森林面積の速度が鈍化した最大の要因は、植林や森林の自然拡大などにより一部の地域で森林が増加したことによるとされます。(※2)。

「最大の要因」の内訳は各国が森林地帯を国立公園に指定したり、伐採制限、流通の見直し、地域住民への森林保全教育などによるものと考えられます。

これらの活動は東農地域の自治体でも着々と進められています(※5)

「自然を守る」。これは人類の繁栄と合わせた両輪として実現されなければならないものです。しかしながら人が暮らしていくためにはわずかづつであっても、自然を切り崩して「糧」としていかなくてはいけないことも事実です。現に中山道の周辺でも、山を削って道路や宅地などが整備され、少しずつ昔の姿が消えつつあると感じました。その一方で今回の旅は、中山道という自然と人がうまく組み合わされた環境を体験したことで、「自分が自然にとってどんな存在で、それをどうしていくべきなのか」を考えるきっかけとなりました。おそらくこの課題の解決は困難で、ずっと考えていかなければいけないものでしょう。

「自然との共存」を考え続けるためにも、今の中山道のような環境を保全し、次の世代に伝える必要があると考えます。そうすればいつか良い答えが出るのかもしれません。現に世界中でその答えに基づいた活動が始まっています。森林減少の速度が緩やかに落ちてきていることはその証左ではないでしょうか。 中山道、また歩いて新発見してみようと思います! 

※1)World Bank - Data Indicator  Forest area

※2) 林野庁「世界森林資源評価(FRA)2020 メインレポート 概要」

※3)林野庁「都道府県別 森林率・人工林率 2022年3月31日現在」

※4)総務省による統計ダッシュボード2020年、および各市公式HP

※5)森林・林業施策の進捗について 平成 23 年度施策の実施状況と 5ヶ年の総括評価

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