
丹参の主要な成分はタンシノン㈵,㈼A,㈼B,イソタンシノン㈵,㈼A,クリプトタンシノン,タンシノール㈵,㈼,ビタミンEなどを含み,主たる成分はクリプトタンシノンとタンシノン㈼Aである.丹参の成分や生薬の研究は1930年代から日本人によって行われ,赤色の結晶タンシノン㈵,㈼,㈽と命名された.一時研究は中断されたものの,1960年代にはこの3つの成分がジテルペン類の化合物であることが証明された.現在ではこの他に,トリテルペン類,フラボノイド類,リグナン類,タンニン類,ロズマリン酸などのフェノール性物質,植物ステロイドなどの化学構造が決定されている.丹参の抽出物は狭心症や慢性冠状動脈虚血症,心筋梗塞などに著効があるとされている.