大棗について その2
大棗の原植物はクロウメモドキ科ナツメ属の植物で,多くは落葉性の高木又は低木で常緑性のものもある.ナツメ属植物は熱帯から温帯地域にかけて約40種が分布しており,それらの約半数の果実は食用として利用されているが,このうちナツメZizyphus jujuba Miller var. inermis Rehderの果実を乾燥させたものを大棗として薬用に用いる.日本では甘酸っぱい果実を生食するが,中国では果実を乾燥させた乾果として菓子や料理に利用する.また薄い砂糖液で乾燥果実を煮てから乾燥させる工程を繰り返したのち乾燥させた蜜棗がある.尚,枝に刺が多く,果実が球形であるサネブトナツメZizyphus jujuba Miller var. spinosa (Bunge) Hu ex H.F. Chouの種子を酸棗仁といい,鎮痛・鎮静,精神安定作用,止汗,感冒,咽頭炎などを対象とした漢方処方に配合されている.
月別アーカイブ
- 2023年
- 2022年
- 2021年
- 2020年
- 2019年
- 2018年
- 2017年
- 2016年
- 2015年
- 2014年
- 2013年
- 2012年
- 2011年
- 2010年
- 2009年
- 2008年
- 2007年
- 2006年
- 2005年