けし(芥子)について(植物について)

けしの仲間には、「法律で植えていけないけし」と「植えてもよいけし」があります。
「法律で植えていけないけし」には1)ケシ(ソムニフェルム種)、2)アツミゲシ(セティゲルム種)及び3)ハカマオニゲシ(ブラクテアツム種)の3種類があり、「植えてもよいけし」と区別しておくことが必要です。
×「法律で植えていけないけし」
1)ケシ(ソムニフェルム種)Papaver somniferum ケシ科ケシ属
麻薬の原料となるモルヒネ(Morphine)やコデイン(Codeine)を含有しているため、「あへん法」により栽培等が禁止されています。
a)一重咲
b)八重咲
名称:種子がアブラナ科のカラシナ(芥子)とよく似ていることに由来。
花:色は赤、桃、紫、白などで、大きさは径8〜12cm、花びらは4枚(一重咲)
葉:色は白味を帯びた緑色
草:丈は100〜160cm
特異な特徴:葉は茎を抱き込むような形をしている。
葉、茎、つぼみの表面には、毛はほとんどない。
2)アツミゲシ(セティゲルム種)Papaver setigerm ケシ科ケシ属
麻薬の原料となるモルヒネ(Morphine)やコデイン(Codeine)を含有しているため、「あへん法」により栽培等が禁止されています。
名称:愛知県の渥美半島に帰化して大繁殖していたことに由来。
花:色は赤、薄紫などで、大きさは径6〜8cm、花びらは4枚
葉:色は緑色
草:丈は50〜100cm
特異な特徴:葉は茎を抱き込むような形をしている。
注:「アツミゲシ」は植えてもよい「ヒナゲシ」や「アイスランドポピー」に間違われる事があります。
3)ハカマオニゲシ(ブラクテアツム種)Papaver bracteatum ケシ科ケシ属
麻薬の原料となるテバイン(Thebaine)を含有しているため、「麻薬および向精神薬取締法」により栽培等が禁止されています。
名称:果実ができて、果実の下の茎が枯れるまで残り、ハカマのように見えることに由来。
花:色は鮮やかな深紅色で、大きさは径9〜12cm、花びらは4〜6枚
葉:色は濃い緑色
草:丈は60〜100cm
特異な特徴:鮮やかな深紅色の花
つぼみの表面の毛は寝ている。
注:「ハカマオニゲシ」は植えてもよい「オニゲシ」や「オリエンタルポピー」に間違われる事があります。
○「植えてもよいけし」
「アツミゲシ」に似ているけし
1)ヒナゲシPapaver rhoeas ケシ科ケシ属
花:色は紅、橙、桃色などで、大きさは径6〜8cm、花びらは4枚(一重咲)
葉:色は緑色
草:丈は50〜80cm
特異な特徴:葉に深い切れ込みがある。
2)モンツキヒナゲシPapaver commutatum ケシ科ケシ属
花:色は濃赤色で、大きさは径5〜7cm、花びらは4枚
葉:色は緑色
草:丈は40〜70cm
特異な特徴:葉に深い切れ込みがある。
3)ナガミヒナゲシPapaver dubium ケシ科ケシ属
花:色は橙〜橙紅色で、大きさは径5〜6cm、花びらは4枚
葉:色は緑色
草:丈は10〜60cm
特異な特徴:葉に深い切れ込みがある。
4)アイスランドポピーPapaver nudicaule ケシ科ケシ属
花:色は赤、桃、橙、黄、白などで、大きさは径7〜8cm、花びらは4枚
葉:色は緑色
草:丈は70〜80cm
特異な特徴:葉に深い切れ込みがある。
「ハカマオニゲシ」に似ているけし
1)オニゲシPapaver orientale (Papaver pseudo-orientale:プソイドオリエンターレ)
ケシ科ケシ属
花:色は橙〜朱色で、大きさは径9〜12cm、花びらは4〜6枚
葉:色は濃い緑色
草:丈は50〜100cm
特異な特徴:つぼみの表面の毛は立ってる。
その他:青いけし(ブルーポピー)
1)メコノプシス・ベトニキフォリアMeconopsis betonicifolia ケシ科メコノプシス属
花:色は青〜青紫で、大きさは径5〜15cm、花びらは4〜9枚
葉:色は緑色
草:丈は50〜120cm
特異な特徴:葉に切れ込みがあるものとないものがある。
参考:大麻・けしの見分け方、厚生労働省
写真:東京都薬用植物園 2014.5.10撮影
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