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明日ゲンキになるマメ知識明日、ゲンキになるためのマメ知識

アスゲンのお薬に使用されている成分の原料や
それぞれの効能などをわかりやすくご紹介しているページです。
健康に関する最新情報もあわせて随時更新してまいりますので、
毎日の豊かな暮らしづくりにぜひご参考ください。

けし(芥子)について その2(成分について)

 けしにはあへんアルカロイドであるモルヒネやコデインなどの麻薬が含まれており、下記のように医薬品原料として医療現場で使われています。けしの成分以外に医療用に使われている麻薬にはコカノキの葉の成分であるコカインや合成麻薬などがあります。
◎医療用麻薬の分類
(1)81アルカロイド系麻薬(天然麻薬)
 1)あへんアルカロイド系麻薬
 ㈰8112 あへん末製剤
 ・アヘン散
 ・アヘン末
 ㈪8113あへんチンキ及びエキス類製剤
 ・アヘンチンキ
 ㈫8114モルヒネ系製剤
 ・モルヒネ硫酸塩水和物
 ・モルヒネ塩酸塩水和物
 ・エチルモルヒネ塩酸塩水和物
 ㈬8115コデイン系製剤
 ・コデインリン酸塩
 ・ジヒドロコデインリン酸塩
 ㈬8119その他のあへんアルカロイド系麻薬
 ・オキシコドン塩酸塩水和物
 ・オキシメテバノール
 ・アヘンアルカロイド・アトロピン(スコポラミン)
 ・アヘン・トコン散
 ・モルヒネ・アトロピン
 ・複方オキシコドン(・アトロピン)
 2)8121コカアルカロイド系麻薬
 ・コカイン塩酸塩

(2)82非アルカロイド系麻薬(合成麻薬)
 1)8211 フェニルピペリジン系製剤
 ・ペチジン塩酸塩
 2)8219その他の合成麻薬
 ・フェンタニル、フェンタニルクエン酸塩
 ・レミフェンタニル塩酸塩
 ・タペンタドール塩酸塩
 ・メサドン塩酸塩


 あへん末とは、ケシから得たあへんを均質な粉末としたもの、又はこれにデンプン若しくは乳糖水和物を加えたもので、モルヒネ,コデインやノスカピンなど約20種類のアルカロイドが含まれる。


◎主な医療用麻薬製剤の特徴
 各分類のなかで主な医療用麻薬製剤の薬物学的特徴を示します。
1)あへん製剤
・製品名:あへん末 組成:原末
 投与経路:経口 製剤:散剤
 最高血中濃度到達時間:− 半減期:−

2)モルヒネ製剤  
・製品名:エチルモルヒネ塩酸塩 組成:原末
 投与経路:経口、点眼、眼軟膏 製剤:散剤
 最高血中濃度到達時間:− 半減期:−
・製品名:モルヒネ塩酸塩 組成:原末
 投与経路:経口 製剤:散剤
 最高血中濃度到達時間:30〜90分 半減期:1.9時間
・製品名:MSコンチン錠 組成:モルヒネ硫酸塩
 投与経路:経口 製剤:錠剤
 最高血中濃度到達時間:2.7±0.8時間 半減期:2.58±0.85時間

3)コデイン製剤
・製品名:コデインリン酸塩 組成:原末
 投与経路:経口 製剤:散剤
 最高血中濃度到達時間:1.2±0.6時間 半減期:3.6±0.15時間
・製品名:ジヒドロコデインリン酸塩 組成:原末
 投与経路:経口 製剤:散剤
 最高血中濃度到達時間:1.6±0.12時間 半減期:3.68時間

4)オキシコドン製剤
・製品名:オキシコンチン錠 組成:オキシコドン塩酸塩
 投与経路:経口 製剤:錠剤
 最高血中濃度到達時間:2.5±1.4時間 半減期:5.7±1.1時間

5)オキシメテバノール製剤
・製品名:メテバニール錠 組成:オキシメテバノール
 投与経路:経口 製剤:錠剤
 最高血中濃度到達時間:− 半減期:−

6)コカイン製剤  
・製品名:コカイン塩酸塩  組成:原末
 投与経路:鼻腔内、点眼、外用 製剤:散剤
 最高血中濃度到達時間:41.2〜90.7分 半減期:65.0〜68.3時間
                 (鼻腔内)
      (鼻腔内)
 
7)ペチジン製剤
・製品名:ペチジン塩酸塩 組成:原末
 投与経路:経口 製剤:散剤
 最高血中濃度到達時間:− 半減期:−

8)フェンタニル製剤
・製品名:デュロテップMTパッチ 組成:フェンタニル
 投与経路:経皮 製剤:貼付剤
 最高血中濃度到達時間:30〜36時間 半減期:17時間


◎主なあへんアルカロイド系麻薬の効能又は効果及び薬効薬理
 がん患者の中等度から高度の強さの痛みにモルヒネ(オキシコドン)、軽度から中等度の強さの痛みにコデイン(ジヒドロコデイン)が用いられます。また、コデインやジヒドロコデインは鎮咳成分として一般用医薬品にも使用されています。
1)アヘン(末、散)
 ㈰効能又は効果
 ・激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制
 ・激しい疼痛時における鎮痛・鎮静・鎮痙
 ・激しい咳嗽発作における鎮咳
 ㈪薬効薬理
  アヘン末は主成分のモルヒネの他、各種のアルカロイドを含有しており、これらが協力し、あるいは拮抗しているため、その作用はモルヒネと同一でなく、またモルヒネより毒性は弱い。すなわち中枢神経に対してはモルヒネと同様に抑制的に作用するが、鎮痛、鎮静、呼吸抑制作用はモルヒネに比較して弱く、一方、これに反して腸管に対する作用は強いといわれている。

2)モルヒネ塩酸塩水和物
 ㈰効能・効果
 ・激しい疼痛時における鎮痛・鎮静
 ・激しい咳嗽発作における鎮咳
 ・激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制
 ㈪薬理作用
 ・中枢神経系
  中枢神経抑制作用は、大脳皮質に始まり、順次下降して延髄・脊髄に及ぶ。
  ヒトでは,5〜10mgで運動中枢、意識、知覚に影響することなく痛覚の感受性を減じ、鎮痛の目的に用いられる。また、呼吸・咳嗽中枢を抑制し、呼吸鎮静作用、鎮咳作用をあらわす。
  増量に従い、発揚状態から催眠作用があらわれ、もうろう状態に至り、1回30mgで深い睡眠に陥る。この経過中に延髄の嘔吐中枢を刺激して嘔気、嘔吐を起こすことがある。
 ・消化器系
  胃腸管の運動を低下させ、止瀉作用をあらわす。また、膵液や腸液等消化液の分泌を減少させる。
 ・循環器系
  薬用量では心拍数、血圧に殆ど影響がないか、あっても軽度である。大量では血圧下降があらわれる。
 ・その他
  体温調節中枢の抑制作用、瞳孔縮小作用、汗腺を除く外分泌腺の分泌抑制作用等を示す。

3)コデインリン酸塩
 ㈰効能又は効果
 ・各種呼吸器疾患における鎮咳・鎮静
 ・疼痛時における鎮痛
 ・激しい下痢症状の改善
㈪薬効薬理
  モルヒネと極めて類似した化学構造と薬理作用を有するが、モルヒネに比べ作用は弱く、鎮痛作用は1/6、鎮静・催眠作用は約1/4、呼吸抑制作用も1/4程度とされている。
  鎮咳作用量でモルヒネに比べ便秘、悪心・嘔吐等の副作用が少なく、依存性形成も弱いので、主として鎮咳の目的に使用される。

4)ジヒドロコデインリン酸塩
 ㈰効能又は効果
 ・各種呼吸器疾患における鎮咳・鎮静
 ・疼痛時における鎮痛
 ・激しい下痢症状の改善
㈪薬効薬理
  呼吸中枢を抑制し、また、反射作用によって起こる呼吸運動に対しても抑制作用があり、コデインより強い鎮咳作用をあらわす(約2倍)。また、モルヒネより弱いが、コデインより強い鎮痛作用を有している。呼吸抑制作用はコデイン同様モルヒネより弱い。

5)オキシコドン塩酸塩
 ㈰効能・効果
 ・中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
 ㈪薬効薬理
 ・鎮痛作用
  オキシコドン塩酸塩はモルヒネ硫酸塩よりED50値で3〜6倍,効力比で3〜5倍強い鎮痛作用を示した。

6)オキシメテバノール
 ㈰効能又は効果
  下記の呼吸器疾患に伴なう咳嗽
  肺結核、急・慢性気管支炎、肺癌、塵肺、感冒
 ㈪薬効薬理
  麻薬性鎮咳剤で、経口投与でコデインリン酸塩水和物の5〜14倍の効力を有しており、さらに臨床的にも鎮咳効果を検討したところ、コデインリン酸塩水和物の1/10量、デキストロメトルファンの1/5量でほぼ同等の効果を有することが認められている。


◎あへんアルカロイドの各薬理作用の強さ(モルヒネを1とした場合)
・鎮痛作用
 コデイン(1/6倍)< ジヒドロコデイン(1/3倍)< オキシコドン(3〜5倍)
・鎮咳作用
 コデイン(1/3倍)< ジヒドロコデイン(2/3倍)
・鎮静・催眠作用及び呼吸抑制作用
 コデイン(1/4倍)≒ ジヒドロコデイン(1/4倍)
・便秘、悪心、嘔吐作用
 コデイン(1/4倍)≒ ジヒドロコデイン(1/4倍)


参照:各製品のインタビューホームより転記

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