デジタル・メディスン
最近のIoT(Internet of Things)の進化はとどまるところを知らず、あらゆるものがネットを通じて実現可能な社会になりつつあります。外出先からスマートフォンで自宅のエアコンスイッチをONにしたり、電気自動車の充電終了を確認したり、健康面では腕時計型の活動量計を装着し睡眠を含めた日常活動を記録・管理する事ができるようになりました。今日ご紹介するお話は、錠剤に極小センサーを組み込んだ医薬品と医療機器を一体化させた世界初の「デジタル・メディスン」に関するお話です。
2017年11月17日の薬事日報には、「大塚製薬とプロテウス・デジタル・ヘルス(米国カリフォルニア州)は、抗精神病薬『エビリファイ』の錠剤に摂取可能な極小センサーを組み込んだ『エビリファイ・マイサイト』の米国承認を取得した。ICT(情報通信技術)を通じて、患者の服薬状況、活動状況などを記録でき、医療従事者との情報共有も可能になるため、遠隔での服薬管理が行える。本製品は薬の飲み忘れ・飲み残しが目立つ重度の精神疾患患者をターゲットにしており、まずは少人数での効果検証や課題を集積する。米国FDAがデジタル・メディスンを承認するのは史上初。」
日本でも薬の飲み残しによる経済損失は年間500億円とも言われており(2015年)、国家財政圧迫の原因の一つとされています。これを少しでも減らすには、患者様が薬の内容や処方意図をある程度以上理解して、積極的に治療参加・服薬遵守をすることが必要です。この態度を表した言葉を「服薬アドヒアランス」と言い、最近よく聞かれるようになってきました。今回の「デジタル・メディスン」が「服薬アドヒアランス」を改善し、皆様の生活がより良くなることを祈っております。
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