ドイツは空気がきれいか?
近年、気候変動の原因とされている温室効果ガスを減らそうと各国が努力しています。特に火力発電所や自動車の燃料として使われる化石燃料(石炭、石油)を減らすことで、大気汚染対策にもなると期待されています。大気汚染は呼吸器系の疾患の原因となることから、せき・たん・ぜんそく(現在は"喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅー)をともなうせき"と言います)の症状を緩和する製剤(錠Aアスゲン、アスゲン散EX、アスゲン錠EX、シロップAアスゲンa)を皆様にお届けしている弊社としては、気にかけている話題です。
今回は環境対策先進国とされるドイツでの温室効果ガス削減の動きが停滞している現状と呼吸器系の健康について、英国のThe Lancet Respiratory(2018年2月版)の記事をもとにお話したいと思います。
ドイツは環境先進国として、再生可能エネルギーを利用し、環境へ配慮した国内体制を持つ国で、空気もきれいなイメージがあり、日本もお手本にする国だと考えていました。しかし現実は、それ程単純では無いようです。以下にドイツと日本のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、ぜんそくとされた方のおおまかな人数を示しました。
疾 患 名 |
ドイツ(2015年頃) |
日本(2014年頃) |
C O P D |
400万人 |
30万人 |
ぜ ん そ く |
400万人 |
100万人 |
人 口 |
8,000万人 |
12,600万人 |
にわかには信じがたい数字です。仮にCOPD、ぜんそくの方が日本と同数であっても、私には驚きです。ドイツは環境対策先進国では無かったのか?なぜ、このような結果になったのか?その背景には以下のものがあるとされます。
①ドイツは主要エネルギーの34%が石炭である(日本25% *2014年)。
②再生可能エネルギーへの代替を勧めているが、石炭がこれに代わっている訳ではない。
③ドイツだけでなく、ヨーロッパは排気ガス排出の多いディーゼルエンジンを採用している車がまだ多く走っている。
④ドイツの主要産業は自動車であり、規制を進めようとすると、自動車業界から「待った」がかかる。
⑤自動車産業を守ることはドイツ国内の雇用を守ることに繋がるので、排気ガス規制に及び腰である。
この他、様々な要因が重なって先程の数字となり、温室効果ガス削減につながっていないのではないでしょうか。
今後のドイツの姿勢は世界の基準とされるでしょうし、日本もそれに倣うことでしょう。
最近は日本でも電気自動車を見かけるようになりました。
きれいな空気を守ろうという方向へ、世界が動いていることは間違いないかと思います。
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