牛黄(ゴオウ)について
師走となりました。よい年を迎えるために忙しい毎日をお過ごしの方もみえるでしょう。
忙しさで忘れていても、はっと気付くとどっと疲れを感じることがあります。
我社は「長城清心丸」という滋養強壮薬を取り扱っており、お陰さまでお客様からはご好評を頂いております。
今日は「長城清心丸」に含まれる「牛黄(ゴオウ)」についてのお話です。
以下の内容は第17改正日本薬局方解説書を参考に作成しました。
本内容が皆様のお役に立てることを願っております。
<起 源>
ゴオウは牛を屠殺したとき、胆のう、胆管中より採取し、乾燥して市場品とします。
ウシの品種は世界の各地域でそれぞれ異なっていますが、ゴオウはこれらの家牛のいずれの品種からも得られます。
ただ、ゴオウは1000頭中1頭にしか見つからないと言われ、とても貴重なものとされています。
日本の市場品はすべて輸入に頼っています。2016年は約1000キロが輸入され、輸入国はブラジル、オーストラリア、コロンビア、メキシコ、およびアルゼンチンのみです。
近年その価格は、需要の高まりから急激に高騰しており、年々入手が難しくなる傾向にあります。
<歴 史>
東洋におけるゴオウの医療的応用は紀元前に始まり、'中国では少なくとも6世紀以前より広く用いられている高貴薬(*1)であり'神農本草経の上品(*2)に収録されています。
その組成はヒトの胆石が主にコレステロール結石であるのに対し、牛の胆石であるゴオウは、主に胆汁酸(コール酸)とビリルビンの複合体であり、ヒトのそれとは成分が異なっています。
つまり、ゴオウの効果はコール酸とビリルビンに関係しているのではないかと考えられます。
またゴオウは、ウシの胆道内に感染した大腸菌などから放出された酵素により、ビリルビンが分解された後、ビリルビンカルシウムとして析出したものに由来するとされています。
(*1)高貴薬:非常に値段の高い薬
(*2)上 品:じょうほん。漢方の用語で"作用が弱くても,長時間飲んでいて副作用が起こらない薬"とされる。
<薬効薬理>
ゴオウの効果を紹介いたします。
1)血圧降下作用
2)強心、解熱、利胆及び鎮静作用
3)鎮痙作用
4)平滑筋収縮性物質
5)胆汁排出促進作用
6)心収縮亢進作用 など
<参考文献>
1)岩城利一郎ら:日薬理60,529 (1964)
2) 岩城利一郎ら:薬誌85,899 (1965)
3)木村正康ら:薬誌86,366 (1966)
4)木村正康ら:薬誌86,877 (1966)
5)木村正康ら:薬誌87,550 (1967)
6)木村正康ら:薬誌88,125 (1968)
月別アーカイブ
- 2023年
- 2022年
- 2021年
- 2020年
- 2019年
- 2018年
- 2017年
- 2016年
- 2015年
- 2014年
- 2013年
- 2012年
- 2011年
- 2010年
- 2009年
- 2008年
- 2007年
- 2006年
- 2005年