スピルリナを知っていますか?
12月に入って「寒い!」と感じる日が増えてきました。皆様も「体調に注意しなくては」と思っておられることでしょう。毎日の健康管理にはいわゆる健康食品を摂られている方も多いのではないでしょうか。今日は我が社で取り扱っている健康食品「スピルリナゴールド」の原料、「スピルリナ」についてのお話です。
参考:Multiple Potential Role of Spirulina in Human Health:A Critical Review
Prasant Kumar, Nidhi Zesai & Mitesh Dwivedi Mal J Nutr 21(3):375-387、2015
<はじめに>
スピルリナは3億5000万年前から地球に存在しています。 16世紀のスペイン人年代記作家は漁師が干潟に目の細かい網を打ち、青色のテキュイトラトルと呼ばれるものを集め、青緑色の薄い平たいケーキ状の食べ物を作っていた、と書き残しています。
近年、アフリカのチャド周辺で「ディエ」または「ディー」として 知られていた伝統食品がヨーロッパ人科学者により再発見され、全世界に広がっていきました。スピルリナ摂取による健康上の利益は、WHO、UNICEF等の公的機関にて既に認められています。またNASA(アメリカ航空宇宙局)に大規模に使用された後、有名になりました。それは宇宙飛行中の宇宙飛行士の日常食として採用されたからです。
スピルリナはタンパク質、ビタミン類、ミネラル類をバランスよく含む素晴らしい食品です。 乾燥されたスピルリナは 60 %がタンパク質であるばかりでなく全種類のアミノ酸を含んでおり、その85~95%が消化できるため人体には簡単に吸収されます。
<スピルリナの研究紹介>
少し専門的な内容になりますが、近年の研究から分かってきたことをご紹介します。
/抗酸化性能/
まず、抗酸化物質とは、酸化ストレスを受けている最中と通常の細胞分裂の過程の最中に生じる、人にとって有害な物質(フリーラジカル)を無力化する物質です。 フリーラジカルは、その影響を受ける細胞にダメージを与え、細胞死を引き起こします。 これに対してスピルリナはどう働くのでしょうか?
・スピルリナに含まれる抗酸化物質は、主に強い抗酸化性とフリーラジカル除去活性を持ちます。
・スピルリナの水性抽出物はフリーラジカルによる細胞死に対し、十分な防御性能があるとされます。
・スピルリナ抽出物の抗酸化性はリンパ過酸化化を阻害することが示されている。
/抗ウィルス活性/
スピルリナは健全な免疫システムを強化する性質があるとされます。
・スピルリナ抽出物は広範囲のウィルスに対して阻害活性を有しています(HSV 1及び2型、HCMV、HIV 2型、インフルエンザA型、はしか等)。
・これはカルシウムスピルラン(Ca-SP)と名付けられた新規硫化ポリサッカライドに由来し、これが抗ウィルス成分として働くためです。
/抗糖尿病/
糖尿病は世界的に良く知られている代謝性疾患です。
・スピルリナのサプリメントを2ヵ月間摂ったところ明らかに空腹時血糖および食後血糖の低下が示されています。 この抗高血糖症効果は脂肪代謝における補助因子であるNADPHとNADHの発現低下が原因だと言われています。
/抗炎症特性/
スピルリナは幹細胞からヒスタミンの遊離を阻害することによって抗炎症特性を発現します。
・GLA(ガンマリノレン酸)はDGLA(ジホモガンマリノレン酸)を代謝することで抗炎症特性を示します。
・摂食によるGLAは潜在的に炎症活動を妨げることから、アラキドン酸へ消極的炎症効果を有します。
/免疫の増強/
・スピルリナは全身性免疫系を強化できるとされ、実際のところ、新しい血液細胞を産生する体内性能を強めます。 また免疫グロブリンA(IgA)や免疫グロブリンM(IgM)の量を増加させる効果があるとされます
・ヒト、ニワトリ、魚類において、スピルリナは感染抵抗性を強化し、かつ造血に影響し、抗体とサイトカインの産生の容量を強化することで免疫への刺激効果を生み出しています。
・スピルリナは体液系の産生を加速することで、細菌類の侵略に対してより良い防御を提供しています。
・さらにスピルリナはヒトの体内の細胞や組織の機能を制御して高め、環境毒や感染物質に由来するストレス下でさえも、体の各部の機能を改善する能力があるとされます。
現在、スピルリナについて実にさまざまな知見が得られています。しかしまだ動物実験の段階にある研究もあり、十分な根拠が揃うにはもう少し時間がかかるかと思います。とはいえ、注目の集まっているスピルリナのこれからが楽しみです。
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