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明日ゲンキになるマメ知識明日、ゲンキになるためのマメ知識

アスゲンのお薬に使用されている成分の原料や
それぞれの効能などをわかりやすくご紹介しているページです。
健康に関する最新情報もあわせて随時更新してまいりますので、
毎日の豊かな暮らしづくりにぜひご参考ください。

治療薬はどこにある? - コロナウィルス関連肺炎の話題 -

2019年12月末に報道されはじめたコロナウィルス(COVID-19:Coronavirus Disease 2019)は、2020年2月28日現在、全世界40か国以上に拡がり、その罹患者は8万人を超えています。日本では感染拡大防止のため、イベント(マラソン大会、コンサート等)の中止や延期が相次ぎ、国からは小中高校の休校が要請される事態となっています。今回の措置は2003年のSARS流行の際には見られなかった大規模、そして厳格なものと言えます。

今世界中の方が待ち望んでいるのは感染の有無が迅速に判定できる検査薬や検査キット、そしてワクチン等の治療薬でしょう。

通常、新しい医薬品が開発されて皆様の手に届くまでには、一般的に年単位の時間がかかります。有効成分の探索・発見、動物実験を行い、それに続くヒトでの臨床試験により深刻な副作用が出ないか等、製品の安全性が確認され、同時に製造工場では品質を保ったまま製造できるのかも確認しなくてはいけません。さらに流通や病院での保管過程において製品の品質に問題がないか、包装形態を含めた安定性を確認する必要もあります。そして行政機関への申請書類作成、質疑応答を得てようやく承認され、製造、そして皆様の元へ届けられます。

しかし今回のような場合は急を要します。開発を待っていられません。そこで日本では試験的(治験)に既存のインフルエンザ治療薬をコロナウィルス肺炎患者に投与を開始しました。コロナウィルスは侵入した細胞の中でウィルスの設計図であるRNA(リボ核酸)を複製させ、それを材料にして自分で増えていきます。この仕組みはインフルエンザウィルスと同様であるため、アビガンの投与が有効ではないかと判断したと思われます

その他にも中国やアメリカ、タイがエボラ出血熱治療薬、抗エイズウイルス(HIV)治療薬を試験的に投与することを明らかにしました。

< 治 験 治 療 薬 >

製 品 名

効 能

作用機序

治験での使用国

アビガン

富士フィルム(日本)

新型インフルエンザ

RNAの増殖を阻害する。  

日本、中国

レムデシビル

ギリアドサイエンシス(米)

エボラ出血熱

RNAの増殖を阻害する。  

日本、中国、米国

カレトラ

アッビィ(米)

抗HIV

ウィルスが感染を広げるのに必要な酵素の働きを阻害する。  

日本、中国、タイ

今のところ、コロナウィルスの治療薬はありませんが、既存の治療薬の中に見つかることで、事態が早期に収束することを願っています。

(2017年6月更新の豆知識「ドラッグリポジショニング」もご覧ください。)

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