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明日ゲンキになるマメ知識明日、ゲンキになるためのマメ知識

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「楽しい飲酒」と「健康リスク」の間をどう歩くか
SDGs 目標 No.3 「すべての人に健康と福祉を」

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あけましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いいたします。

文化としてのお酒と、その影にある課題

お正月といえば日本酒や祝いの席でのお酒が欠かせません。しかし近年、世界的に「持続可能な社会」を目指すSDGsの観点から、アルコールとの付き合い方が問い直されています。お酒は文化であると同時に健康リスクを伴う存在です。本稿では、最新の医学研究、日本の酒造メーカーの戦略、依存症の現状、そしてストロング系チューハイの問題を通じて「お酒とSDGs」を考えます。

1. 世界的研究が示した「ゼロ飲酒」という選択肢

2018年に医学誌The Lancet に掲載された大規模研究は、世界195カ国のデータを解析し「健康リスクを最小化する飲酒量はゼロ」であると結論づけました。従来「適量なら健康に良い」とされてきた見方を覆し、少量でもがんや心疾患のリスクを高めることが示されています。これは「酒は百薬の長」という日本の古い言葉と真っ向から対立する知見であり、SDGsの目的に込められた「健康と福祉」に直結する課題です。

2. 「酔わずに楽しむ」低アルコールの開発が進む理由

日本の酒造業界は、健康志向や若者の「ソバーキュリアス(sober curious : 飲まないライフスタイル)」の広がりを背景に、低アルコール・ノンアルコール飲料へシフトしています。サントリーは「オールフリー」など0.00%飲料を文化として定着させる戦略を強化し、日本酒業界でもアルコール度数5〜9%の商品が続々登場しています。これは「飲みたいけれど酔いたくない」というニーズに応えるための試みでもあります。

3. 日本のアルコール依存は「横ばい」のままという状況

過去10年、日本のアルコール依存症患者数は大きな減少を見せていません。最新調査では、依存症が疑われる人は約304万人、診断基準を満たす人は約64万人と推計されています。依存症は「個人の問題」ではなく社会的課題であり、医療費や労働損失にも直結します。SDGsの「すべての人に健康と福祉を」達成には、依存症対策の強化が不可欠です。

4. 安くて酔いやすい「ストロング」が抱えるリスク

近年特に問題視されているのが、アルコール度数9%前後の「ストロング系チューハイ」です。安価で飲みやすく、「依存症患者の多くが選ぶ」と医師も指摘しています。研究では、ストロング系飲料の常用者は問題飲酒と強く関連していることが示されました。炭酸やフルーツ風味で「飲みやすさ」に隠された危険性の存在があることは否めないと考えます。

5. 男性中心だった依存症問題が女性にも広がる現状

お酒とSDGsを語る上で、環境負荷やジェンダーの視点も重要です。酒造りは大量の水資源を必要とし、気候変動による米の収穫量減少は日本酒文化に直撃します。また依存症は男性に多い一方、女性の若年層でも増加傾向があり、対策が求められます。

結論──お酒との付き合い方をSDGs時代にアップデートする

お正月にお酒を楽しむことは文化的に大切ですが、The Lancetの研究が示すように「安全な飲酒量はゼロ」であることを忘れてはなりません。酒造メーカーの低アルコール戦略や依存症対策は、SDGsの「健康」「持続可能な消費」「環境保護」に直結します。ストロング系チューハイの問題は「薬物的」な危険性を社会全体で認識し、規制や教育を強化する必要があります。お酒との付き合い方を見直すことこそ、持続可能な社会への一歩ではないでしょうか。

【参 考】

1)The Lancet Volume 391, Issue 10129p1513-1523April 14, 2018

2)The Lancet. 2018 Sep 22;392(10152):1015-1035.

3)サントリー(株)2025年ノンアルコール飲料活動方針

4)ノンアルコール飲料を新たな酒文化に サントリーが「ノンアル部」新設、戦略強化へ

5)日本酒の度数はどこまで下がる? - 増える低アル日本酒のいま(前編)

6)アルコール依存症疑い64.4万人と推計。最新の全国調査の結果を公表【久里浜医療センター】

7)「アルコール依存症疑い」約304.1万人と推計 - 背景や挙動に見られる特徴とは

8)「依存症患者の多くが選ぶ」と医師も指摘のストロング系酎ハイ 一部メーカーが撤退の動き、厚労省ガイドラインで注目集まる

9)ストロング系チューハイ使用と問題飲酒の関連: インターネット全国調査を用いた横断研究:健康格差の側面にも注目して

10)「ストロング系チューハイは問題飲酒と関連あり」 世界で初めて明らかにした研究を発表

11)厚労省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」

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