睡眠時間を増やすと体重は減る?5年間の記録で検証
近年の研究では、睡眠不足が体重増加や肥満リスクと関係することが報告されています。
今回は、私自身が2020年11月から2025年11月までに記録した睡眠時間と体重のデータを用いて、「睡眠時間が増えれば、体重は減るのか?」を検証してみました。
睡眠と体重の関係を5年間のデータで検証
若いころの私は「睡眠時間は6時間もあればOK!」と思っていました。しかし、日中に眠気を感じることや、体調がいまひとつと感じることが増えてきたため、活動量計で睡眠時間を測定できることに興味を持ち、なるべく7時間寝るようになりました。
今回のデータでは、睡眠時間は普段使用しているPolar社の活動量計で測定したものを使用し、体重は毎朝体重計で測定したものをグラフ化しました。
横軸に計測期間、縦軸左に体重(kg)、縦軸右に睡眠時間(時間)を示しています。実線のグラフは、青色が体重、オレンジ色が睡眠時間です。
これだけでは増えたのか減ったのかがわかりにくいため、各データの中にある傾向を見える化するために回帰直線を引きました。すると、オレンジ色の睡眠時間はわずかに上昇傾向にありました。一方、青色の体重には大きな増加傾向は見られませんでした。
睡眠時間が増えても体重は減ったのか?
結論から言うと、この5年間のデータだけを見る限り、「睡眠時間を確保したことで、加齢による基礎代謝量(BMR)の低下を上回る効果があった」とまでは言えません。
別の計算では、睡眠時間と体重の相関はほぼゼロ(r = -0.017)と出ています。これは「睡眠時間が長い月に体重が減る傾向は見られない」ということを示しています。
ただし、「睡眠が体重増加を抑制する方向に働いた可能性はある」という解釈は十分に考えられます。
睡眠が体重維持に関わる可能性
私の5年間のデータでは、睡眠時間と体重の相関はほぼゼロで、睡眠が長い月に体重が減る傾向は見られませんでした。一方で、ここ5年間の体重は±2kg程度の範囲で安定していました。
通常なら、加齢による基礎代謝量の低下により、5年間で2〜3kg増えてもおかしくないことを考えると、体重が大きく増えていない点は特徴的です。これは日常的な運動習慣があることも関係しているかもしれません。
睡眠不足、特に6時間未満の睡眠は、食欲ホルモンの乱れ、代謝低下、活動量低下、インスリン抵抗性の悪化などを引き起こす可能性があります。そのため、良好な睡眠習慣は体重維持に有利に働いた可能性があります。
今回のデータから言えること
- 睡眠時間が長い月に体重が減る傾向は見られませんでした。
- 一方で、5年間の体重は比較的安定していました。
- 睡眠が体重を直接減らしたとは言えませんが、体重増加を防ぐ方向に働いた可能性はあります。
ただし、睡眠時間の変動が小さいこと、食事・ストレス・生活リズムなど他の要因が不明なこと、相関がほぼゼロであることから、睡眠が加齢による代謝低下を上回ったと断言はできません。
歩数を加えて見えた体重変動の特徴
睡眠時間と体重のデータに、1日の歩数を加えたら何か差が出るのではないかと考え、重回帰分析を行いました。
重回帰分析とは、複数の要因が結果にどう影響しているかを同時に調べる方法です。
横軸に計測期間、縦軸左に体重(kg)、縦軸右に1日あたりの歩数(歩/日)を示しています。実線のグラフは、青色が体重、赤色が1日あたりの歩数の変化です。歩数は5年間でほんのわずかですが増加傾向が見られました。
結論として、私のデータでは「睡眠時間も活動量も、体重の変動をほとんど説明していない」という結果になりました。
重回帰分析の結果
- R² = 0.003、p = 0.922で、体重変動のほとんどは睡眠時間と歩数では説明できませんでした。
- 睡眠の係数は-0.15、p = 0.794で、統計的に意味のある関係は見られませんでした。
- 活動量の係数は+0.17、p = 0.805で、こちらも誤差の範囲と考えられます。
つまり、睡眠が長い月でも短い月でも、活動量が多い月でも少ない月でも、体重はほぼ変わらないという結果でした。
安定した生活習慣が体重維持のカギ
3つのデータから言えることは、「私の生活習慣が非常に安定している」ということです。
過去5年間の睡眠は6.3〜7.7時間、活動量は1.49〜2.28万歩、体重は54.5〜58.6kgと、いずれも大きな変動がありません。そのため、睡眠や活動量の月ごとの差が体重に影響を与えるほど大きくなかったと考えられます。
逆に言えば、これまで生活習慣が乱れていた方が睡眠を見直したり、歩く頻度を増やしたりするだけで、健康になりながら体重が減る可能性もあります。
近年発表された研究報告によると、睡眠不足は肥満リスクを高めることが示されています。ただし、その理由、たとえばホルモンや代謝などの詳しい仕組みは、まだ完全には解明されていません。今後の研究が待たれます。
参考文献
- 1)The association between sleep deprivation and the risk of cardiovascular diseases: A systematic meta-analysis // BIOMEDICAL REPORTS 19: 78, 2023
- 2)Interactive effects of sleep duration and dietary patterns on obesity moderated by age // Nature Portfolio Scientific Reports | (2025) 15:34548
- 3)Short Sleep Duration and Weight Gain: A Systematic Review // Obesity (2008) 16, 643-653
- 4)The Relationship Between Sleep Quantity, Sleep Quality, and Weight Loss in Adults: A Scoping Review // Clin Obes. 2024 April; 14(2): e12634
- 5)The Impact of Sleep Deprivation on Hunger-Related Hormones: A Meta-Analysis and Systematic Review // Obesities 2025, 5, 48
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