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明日ゲンキになるマメ知識明日、ゲンキになるためのマメ知識

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何よりも元気のためには「睡眠」です

 10月です。日暮れが本当に早くなりました。 日差しは強いものの、もう秋ですね。

私は「食欲の秋」派(?)ですが、秋を味わうにはやっぱり体が元気である必要があります!

元気の源は睡眠です。どうやったら良い睡眠がとれるのでしょうか?

今回は2022年11月01日掲載の「睡眠、ちゃんと取れてますか?(活動量計と睡眠)」の続編です。

※ 本記事のリンクはこちら → 睡眠、ちゃんと取れてますか?(活動量計と睡眠) | 明日ゲンキになるマメ知識 | アスゲン製薬 (asgen.co.jp)

以前より継続使用している活動量計による私の睡眠データをもとにお話ししていきたいと思います。

まずはよく眠れた時の睡眠データを見てみましょう(なお、データの青部分は "寝ている" 、黄色は "無意識に起きている" です)。

23:00ごろに寝て、5:40に起きています。黄色の部分があまりないことからこの夜は「よく眠れていた」、と評価します。

これを思い浮かべながら、皆様が日頃睡眠について疑問に思っていることを5つのQ&Aにしてみました。

Q1:お酒を飲むとよく眠れるのか?

A1:よく眠れません。私は日常的にお酒を飲みませんが、会合で月1回程度はそこそこ飲みます(笑)。散会から、寝るまでに3時間ほどあり、ほぼ酔いは覚めた状態で寝た時の睡眠状態をご紹介します。真夜中過ぎに黄色のラインが多数入っており、眠れていないことが分かります。ちなみに寝起きはよくありませんでした。これは体が就寝中にアルコールの分解や食物の消化のため、交感神経により内臓が活動しなくてはならないためです(Q&A2で後述します)。

Q2:運動や勉強で疲れるとよく眠れるのか?

A2:よく眠れません。以下は1時間のほぼ全力のランニング(17:30~18:30)を行った日の夜の睡眠です。飲酒後のパターンに似ていると思いませんか?

 体を支配している自律神経系には、交感神経(体を活発に動かす)と副交感神経(体を休ませる)があります。激しい運動や勉強などにより交感神経が強く興奮させられると、その興奮は運動や勉強後、数時間程度は収まりません。従って夕方から夜間にかけての激しい運動、もしくは長時間の勉強は、夜間の良い睡眠のためには避けた方が良いと考えます。このような行動が連日続くと、交感神経の興奮が睡眠中に収まらず体にストレスがかかり続け、休息が取れないため、何らかの不調が出てくる可能性があります。これを防ぐには運動や勉強の途中、そして終わってからの休養をいかにうまく取るかがとても重要となってきます。

Q3:寝だめはできるのか?

A3:人によると思います。長時間寝た時と短時間寝た時の睡眠状態を比較してみましょう。これに当たって活動量計から得られる睡眠状態を総合的に評価する「睡眠スコア(高い方が良い)」という値を参考にします。

こちらは8時間40分(約9時間)の睡眠で睡眠スコア70。

こちらは6時間08分(約6時間)の睡眠で睡眠スコア68。

   

両者を比較すると、寝ている時間が9時間と長い場合、覚醒する機会も多くなることから、6時間の睡眠スコアとほぼ同じになっています。一概にたくさん眠ればよい、というわけではありません

これから言えることは、睡眠時間が延びるとその分、睡眠の質は下がる傾向があります。逆に短い睡眠時間では、比較的深い睡眠が得られることが多いです(短時間睡眠が良いわけではありません)。寝不足の日が続いた後、それを補う量の睡眠が取れれば、それ以上「熟睡」という睡眠は得られないので、ふとんやベッドにとどまっているより、起きて何か活動をした方が次の睡眠が良いものになるでしょうね。

Q4:質の良い睡眠をとるためにはどうしたらよいのか?

A4:様々な情報がありますが、個人的に私が日常生活で気を付けていることは次のようなものがあります。

基本の考え方は、昼間興奮した交感神経を、どうしたら夜間の睡眠に必要な副交感神経の優位に切り替えられるのか、です。

 1)起きる時間と寝る時間は一定にする。

→ 就寝・起床時刻がばらつくことによる交感・副交感神経の切り替えに伴う自律神経系へのストレスを少しでも減らすため。

 2)できれば布団に入ってから目覚まし時計が鳴って起きるまでの時間は7時間を確保する。

→ 長年にわたり6時間未満の睡眠を取っている方に循環器系の疾患を発症しているケースが多いため。

 3)夕食は肉食系(焼肉、から揚げ、カツ)は避けて、また料理に関わらず満腹になるまでは食べない。寝る時刻の2時間前までに終わっていると良い。もし遅くなる時は夕方と夜と食事を2回に分ける、または消化の良いものを摂る。

→ 就寝中に胃腸が働くことになる、つまり交感神経の興奮が促され、睡眠に必要な副交感神経の活動時間が短くなるため。

 4)寝る前のチョコレート、ケーキ、清涼飲料水などの甘いお菓子、飲み物(お酒も含む)は避ける。

→ 甘いものを摂ると急激に血糖値が上がるが、これを下げるためにインスリンが分泌される。しかし血糖値が下がりすぎるのを防ぐため、その後、脳を活性化するノルアドレナリンが分泌されるため。

 5)入浴は寝る前1時間までには終わらせること。ぬるめのお湯を張ったバスタブには浸かること。

→ 湯が熱いと皮膚刺激により一時的に交感神経優位になり、それが収まるには時間が必要なため。

 6)寝る時刻の1時間前になったら液晶画面は見ない。

→ 夜にブルーライトによる光刺激を受けると、脳の松果体から出る睡眠促進ホルモンのメラトニンの分泌が抑えられてしまい、概日リズム(サーカディアンリズム)の乱れにもつながるため。ちなみにアスリートは、自国にいながら海外のレース開催地の時間帯に合わせる目的で、現地の朝にあたる時刻にブルーライトを浴びる選手もいる。